学術集会報告

第42回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会

第42回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会 会長

大阪医科大学産婦人科学教室 教授 大道 正英

謹啓 春暖の候、皆さまにおかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

2月13日に発生いたしました福島県沖を震源とする地震により被災されました皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに、早期の復旧をお祈り申し上げます。このたび、第42回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会の開催に際しましては、多大なるご支援とご協力を賜り誠に有難うございました。

今回は、新型コロナウイルス感染症対策のため、本学会初の試みとなるWeb配信形式にて開催いたしましたが、この新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下にもかかわらず、630名もの多数の皆様にご参加していただき、また企画に興味を持っていただいた方々に配信期間の延長のご要望いただきましたこともましたことも、心より感謝申し上げます。これもひとえに座長・演者およびコーディネーターの方々のお陰で重ねて御礼申し上げます。

Web開催にあたり至らぬ点もありご迷惑をおかけしましたことと存じますが、何卒ご寛容いただければ幸甚でございます。

子宮内膜症は有経女性の約10%に見られ、原因不明の不妊症患者の約50%に子宮内膜症が存在するとも言われています。さらに、子宮内膜症により、卵巣癌を含め種々の疾患のリスクや周産期合併症が上昇することも分かってきました。しかしながら、それぞれの疾患の早期診断や不妊症も含めその合併する疾患のmanagementに関しては未だcontroversialな点が多々あります。また、子宮内膜症は画像診断が非常に有用ですが、そのピットホールも良く経験します。この様に、子宮内膜症およびその関連疾患には関しましてはまだまだ未知の分野が多く、今後の解明が期待されます。本学術講演会ではその分野を中心にフォーカスを当てました。

理化学研究所予防医療プログラムディレクターの林崎良英先生に招請講演を、Taiwan Endometriosis SocietyのPresidentの Tzeng教授と京教授に特別講演を、万代教授・若槻教授・小谷先生に教育講演をしていただきました。2つのシンポジウム、2つのワークショップを含め、ランチョンセミナー・イブニングセミナーや領域講習もしていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

子宮内膜症およびその関連疾患には関しましてはまだまだ未知の分野が多く、今後、解明していかないといけない点が多々あることが確認できた学術講演会でもありました。本学術講演会の今後の更なる発展を祈念して学術講演会の報告とさせていただきます。誠に有難う御座いました。

謹白