第38回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会

第38回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会会長

日本医科大学大学院女性生殖発達病態学分野教授 竹下俊行

 去る平成29年1月21日(土)・22日(日)の2日間にわたり、東京京橋の東京コンベンションホールにおいて第38回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会を開催させていただきました。真冬に開かれる本会では毎年心配される天候でしたが、その心配が杞憂に終わりホッと胸をなで下ろしました。540名ものご参加をいただき、無事プログラムを終了することができましたのも、皆様のご支援ご指導の賜と改めて感謝申し上げる次第です。
 今回学会のテーマとして、「子宮内膜症のlife-long managementを考える」を掲げました。複数のシンポジウム、ワークショップ、パネルディスカッション、プレナリーセッション、ディベートセッションを企画し、その中で思春期からlate reproductive ageにおける子宮内膜症を巡る諸問題、卵巣チョコレート嚢胞の癌化、深部子宮内膜症の外科的治療、不妊をめぐる問題、遺伝子や基礎研究成果、最新の治療法などに焦点を当てました。パネルディスカッション「思春期子宮内膜症を巡る諸問題」では衆議院議員の宮川典子先生に国としての取り組みに関するご講演をお願いし、子宮内膜症の啓発がわが国の将来を担う若い世代のQOLを改善し、ひいては少子化問題の改善に繋がる可能性に言及されました。子宮内膜症研究や本学会の活動が、社会貢献に寄与することを気づかせてくれたという点でわれわれの研究意欲を大きくかき立てる講演でした。 また、特別講演にはフランスからMichel Canis教授をお招きしました。「Conservative surgery for Endometriosis」と題した講演は、手術に対するCanis教授の哲学とパッションに満ちたもので聴衆に大きな感銘を与えました。その他、一般演題の中にもきわめて質の高い研究が散見され、わが国における子宮内膜症研究が着実に進化している様子がうかがわれました。私自身が大変楽しませていただき、2日間があっという間に終わってしまったという印象でした。
 最後に、開催にあたり多大なるご支援とご指導をいただいた同窓会、教室員一同に深甚なる感謝を申し上げ、日本エンドメトリオーシス学会の発展と子宮内膜症研究のますますの進展を祈念しつつ学術講演会のご報告とさせていただきます。